愛宕山への道 episode1 登り
愛宕山へ登る事を決意したのは初夏のこと。
小学校の同級生有里子ちゃんに誘われて。
少し前に、近くの山を登って練習をする、とうブログを書きましたが、
全く練習せぬまま本番がやってきました。
言い訳としては、梅雨が長かった。
そして
言い訳を言い訳で終わらさないためには、登るしかない。
ということで、愛宕山への道 二回に分けてお届けします。
愛宕山の千日詣は、毎年7月31日の夜からから8月1日の朝にかけて行われます。この日にお参りをすると、千日のご利益があると言われています。
私達の街は、愛宕山に見守られています。母校(中学校)の校歌にも、「愛宕の山を仰ぎ見て〜」と、あるくらいです。
なので、市民の間でも愛宕山信仰が深く、大概の人が子ども時分にお詣りしています。
でも、わたしは、登山なんて無縁で生きてきました。
登ると決まってからはずっとソワソワしていて、周りの人に愛宕山に登るんだ、と浮き足だって話すのですが、
みんな、登った経験があるので、反応もあさっりしたものです。
そして口を揃えて、
子どもでも登るんやし大丈夫やろ。1時間半もあれば、いけるいける。
というんです。
ほんとかなあ。片道約4キロです。
さらに、今年はコロナウイルス感染拡大防止のため、夜のお参りは中止になりました。夜間はかなり混み合うんです。
そのため、今年は「日中限定の10日間にわたって千日詣」とされました。
わたしたちはスケジュールの都合がつかず、結局最終日の8月1日にお参りすることになりました。
登り口は、数カ所あるのですが、
定番の表参道清滝口から登ります。
登り口の手前には有名な清滝のトンネルがあります。
午前7時、さあ、いざ出発!
んが、いきなり急な坂です。
まさか、これがずっと続くの?
はい。続きます。
地元の消防団の方が道標を作ってくださっていました。
1回目の休憩は、その道標の1/40 。
つまり、100メートルしか登ってない(涙)
これ、ほんとに登れるのかな。私達。
こまめに、本当にこまめに休憩を取りながら、
一歩一歩、あゆみを進めます。
途中、2歳くらいの子どもちゃんに抜かれ、
3歳くらいの子どもちゃんに、
「おのぼりやすぅ」
と、声をかけられる始末。
愛宕山は、数え3歳までにお参りすると一生火事に合わないと言われ、
幼稚園児にも満たないようなお子ちゃまが、沢山お参りしているんです。
それでも、自分達のペースを崩さず、
なんとか7合目あたりで、我が街を発見!いつも見上げているそこに、いま、立っているかと思うと感慨深いものが!
あと少しあと少し、道標にも、もうすぐ頂上、と応援をしてくれています。
黒門が見えてきました。
が。まだ、着きません。
ここから、上りの階段ばかり、300メートルくらい続きます。
有里ちゃん、先に到着。
あと数段で鳥居なのに、本当に脚が出なくて立ち尽くすわたし。
なんとか到着。
ふと、時計を見ると、11時。
え?
4キロの山道を、4時間かけて登りました。
さて、時速何キロでしょう。
暑さと疲労で一瞬わからなくなりましたが、はい!時速1キロです!
休憩しすぎて、驚きの数字がはじき出されました。が、これが笑えちゃって。
ちょっと疲れが吹き飛んだ⁈
御神酒で、身体を清めます。
叱られちゃいそうですが、これが本当に美味しかった。
穏やかな気持ちでお参りし、
火の要慎 のお札を授けてもらいました。
有里子ちゃんは、登れなかった親戚の分もお願いしていました。
代参をお願いする人も多いです。
御朱印をいただきました。
登り切った喜びより、
無事にお参り出来たこと。
これが何よりホッとしました。
昔の人は、命がけでお参りをしたと聞きます。その気持ちがほんの少しわかった気がしました。
下り編へ続く。
なみ